エアコンをつけるかどうか微妙な季節、いかがお過ごしでしょうか。こんにちは、ガリゲーでございます。
皆さんは「PMIサイエンス」というサイトをご存知だろうか。そうです。あのIQOS(アイコス)のフィリップモリス社が贈る「喫煙リスクの低減」を科学的に解明していくサイトなのであります。
いつ、このホームページが開設されたのかは不明ですが、その膨大な「喫煙に関する情報アーカイブ」は驚愕に値します。
喫煙で引き起こされるであろう病気(肺がん,COPD,CVDなど)の分析、人へのニコチンが及ぼす影響、国際フォーラム、文献、論文など・・。ありとあらゆる喫煙に関する情報で埋め尽くされており、正直なぜこのサイトをアイコス公式からリンクさせていないのかが不思議なくらいである。
昨今記憶に新しい「アイコスの発がん性物質の信憑性なき報道」や「アイコスの有害性」などが半ば集団ヒステリーともいえる速度でスモーカーたちをアイコスパニックに陥れた。
もちろん、PMIサイドはリスク低減を謳っているのであり、必ずしもアイコスに有害性がないわけではない。今回お話する「PMIサイエンス」はその有害性を科学的根拠に基づき実証した成果を掲載しているのだ。
サイト自体は英語だが、言語設定で一部日本語表示させることができる。では、そのPMIサイエンス。おおよその内容を掘り下げていくとしよう。
PMIがしきりに謳う「喫煙によるリスク低減-RRP」とは
RRP(Reduced Risk Products)。リスク低減の可能性のある製品。これを基本にPMIサイエンスでは5つのカテゴリーでアプローチする。
しかも解説映像まで用意するという徹底ぶり。正直このサイトにいったいいくらかけているのだろうか。一度足を踏み入れてもらえば理解できるが「とんでもない情報量」である。
さて、この5つの項目はアイコス公式サイトでも概要を掲載しているのでご存知な方も多いはず。しかしPMIサイエンスではさらに詳しく「科学的根拠となる検証・実証」を解説してくれているのだ。
1.製品タイプの開発
PMIのゴールは、RRP(リスクを低減する可能性のある製品[1])を幅広く開発し、紙巻たばこの喫煙より害の少ない選択肢を成人喫煙者に提供することにあります。
このサイトでは文面を引用しようとするとコピーライト(著作権)表記までもが付随してくる。そのくらい本気ということだろう。正直、紹介するのが怖い。個人サイトだから引用していいというわけではなく、これらは全てフィリップモリスの財産といえる証拠だろう。
話を戻すと、この製品タイプとはご存知「iQOS アイコス」だ。
PM側は4つの製品開発に取り組んでいるとしている。アイコスを含めるタバコ葉を使用する製品2種と、たばこ葉を使用しない製品2種だ。後者はいわゆるニコチンリキッドのような捉え方でいいのだろうか。
ゆくゆくはアイコスに変わる新製品が登場することは間違いない。その開発についての成果状況も詳しく書かれている。
2.毒性評価
当社では、2種類の徹底的な毒性評価試験を行っています。1つは標準毒性学です。ここではラボテストによって、RRPから発生するベイパーが細胞と臓器に与えるダメージが紙巻たばこの煙よりも低減されているかどうかを評価します。もう1つはシステム毒性学です。ここでは最新実験技術を駆使して、RRPから発生するベイパーが喫煙関連疾患の発症に与える影響を、紙巻たばこの煙と比較して評価します。
これはアイコスなどのようなRRP製品に対する毒性評価の分析内容である。インビトロ毒性学・インビボ毒性学など、聞きなれない文言ばかりで読む気が失せるくらい詳細に書かれている。
ソース元もありその信憑性が伺え、何より映像での解説は私のような科学素人には助かる。
特にアイコスなどのような喫煙による毒性は「エアロゾル」なる、云わば副流煙にスポットが当てられているようだ。
3.臨床試験
毒性評価で製品タイプが有望なデータを示した場合は、成人喫煙者がRRP(リスクを低減する可能性のある製品)に切替えた場合にどのような影響がでるかを理解するために臨床試験を行います。
なるほど、5つのファクターが順序立てられているのかが理解できる。先ほどのRRP毒性で臨床試験が可能だと判断した際に行われているという前置きは「製品に対する自信の表れ」だ。
この臨床試験では成人喫煙者がRRP製品によるHPHC(喫煙による有害物質)がどのくらい低減されているかを実証。
紙巻タバコを吸うグループ、禁煙中のグループ、そしてアイコスなどのようなRRP製品を吸ったものとを分けてバイオマーカーで検証されるという。
有害物質が他の食品を摂取したときにも測定されることも明記されており、詳細な試験方法や研究報告ページもあり非常に興味深かった。
深く読み進めると英語ページになるのでグーグル翻訳などを活用するのがよいと思う。文法がしっかりしているせいか翻訳精度は高い。
4.リスク認識と切り替え行動の評価
当社の「リスク認識と切替え行動評価(PBA)」プログラムは、当社のRRPに対する消費者の考え方と意見を評価し測定することを目的としています。RRPは紙巻たばこの喫煙をやめないと決めた成人喫煙者のために開発されたものである、ということを消費者が理解することが重要です。
これはいわゆる消費者(スモーカー)のモニタリングだろう。今まさに検証中である。
リスクの認識を知り、RRP製品へ移行することは「ハーム・リダクション」という。世間的に有害とされるものを自ら知っておきながらそれを中止できないものへの対策。
いわゆる「禁煙できない喫煙者への措置」というもの。禁煙を促すというより、禁煙並みの効果が現れる製品への移行を促進させようとしているのだ。
なんとも喫煙者にとっては神の救いとも捉えることができる文言である。少し甘やかしすぎではある。つまりはアイコス人気の根本的な支柱だ。
それをフィリップモリス側は選択肢の一つとして喫煙者に提供し、社会全体で喫煙悪を低減しようとする試み。しかも莫大な費用と長い研究成果を武器に。
しかし、それらPMI側のメッセージはメディアの情報操作でいとも容易く崩れることもある。それをどう私たち自信が個々で判断すべきかが問われているのだ。
5.長期的評価
この長期的評価は今始まったばかりといえよう。このページだけが未だ完成していないのはアイコスなどのようなRRP製品が社会・個人に於いてどのような影響をもたらすのかを検証中だからある。
それにより新たな製品開発も同時進行しており、「少しでも有害でない製品」を完成させる日は近いのかもしれない。
信憑性は定かではないが、あるいは注意喚起か、国立がん研究センターでは一生のうち2人に1人がガンを患う時代といっている。
もはや危険因子は喫煙だけでは留まらない。食生活なのどの生活習慣、運動不足、排気ガスなどの環境汚染など挙げたらキリがない。
しかし、その中でも「喫煙」というものは個人の嗜好品という「わがまま」をいわば他人に強制させることが根本的な負の要因なのだ。ご存知、受動喫煙による社会的影響は非常に深刻である。
去年、厚生労働省が発表した「受動喫煙による年間死亡者数15,000人と推計」。非喫煙者からすれば「自分のせいではない・・・」
たとえ死亡原因の直接的な原因ではないにしろ、このように思う心理は当然であり、喫煙者からすれば「知らぬ存ぜぬ」ではもはや済まされない。
やめられないのなら助けてあげる。だけど君のためではなく君の周りの人のためにね。
いくらビジネスとしての趣が強くとも私はPMIを応援したい。これ以上、紙巻タバコよりアイコスのほうが有害だと認識する者が増えないように。
人が見えるPMIサイエンス
PMIサイエンスでは研究に携わっているスタッフを多く紹介している。
サイト内ではPMIの研究開発本部があるスイス・ヌーテシャルの社屋を3Dで見て歩くことができるバーチャルツアーも用意されている。グーグルマップでいうところのストリートビューのようなものだ。
そこには300人ほどスペシャリストたちが揃い、スタッフ同士が協力しあいRRP製品の開発に日々取り組んでいる様子も紹介している。
負の象徴でしかなかったタバコ製品をいかに覆すか。その本気度が半端ではない。
私はこのPMIサイエンスを全てのアイコスユーザーにぜひ見てもらいたいところである。