スターターキット

ブリージングデバイスston 激辛レビュー!これホントにカフェイン入ってます?


12月3日、まるで寝耳に水なニュースが入ってきた。

BREATHER(ブリーザー)株式会社からブリージングデバイスなる新機種「ston」が発売されたのである。

カフェインやGABAを「吸引摂取」 元JTのエナジードリンク好きが作った電子デバイス「ston」発売 / ITmedia NEWS

なんでも吸うカフェインやGABAを謳い文句にした電子たばこ(VAPE)のようなもの。しかも販売元のBREATHERはJTの関連会社というではないか。

そう来たか・・


こういった吸引デバイスは誰もが「たばこ関連」を連想してしまうが、その裏側。すなわち「ヘルス・サプリメント」など真逆に位置するものへアプローチしてきたというわけだ。

しかし、こういった趣のモノは以前から存在しているため、私自身は特に目新しさを感じなかった。※イーグルエナジー、ビタフル、コラーゲン入りリキッドなど

そして、今回もまたいっとき盛り上がるだけでその後はひっそりと消えていくであろう。そう確信していたのだが・・


なんと、発売初日からアマゾン売れ筋ランキング1位

いくら目新しいからとはいえ、約一週間ほど経つ現在でも人気は衰えない。しかも販売元は在庫を小出しにしているため、その隙を狙った転売も目立つ。


ただ、このstonは発表から発売までがかなり急である。しかもその価格は6,600円(税込)と機能面からすれば高め。※プレミア価格は8,000~15,000円ほど

その特徴や評判などを把握する間もないのに何故それほどまでに皆は求めたがるのだろうか?


そこが個人的に実に興味深いところであり、どこかストレス社会への強い反動のような気がしてならない。

さて、前置きが長くなってしまったが、今回はこのブリージングデバイスstonをもっと深く掘り下げていきたいと思う。

 

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カフェインやGABAを配合したstonとその安全性は?

stonとは「一息で、ひと休みをあなたの力に。」するデバイスのブランド名称です。独自のテクノロジーを搭載。吸い込むと、カートリッジ内のリキッドが熱せられて蒸気が発生。この蒸気に溶け込んだ成分の味や香りを楽しむことができます

メーカーのBREATHER(ブリーザー)は直訳で「息抜き」。ston(ストン)は「ひと休みのアップデート」をコンセプトとした電子タバコのようなもの。

画像 / BREATHER株式会社

フレーバーカートリッジはミント味でカフェイン配合の「POWER」。ココナッツ味でGABA配合の「CALM」の2種類。

カートリッジは3本入りセットで各1,980円となる。ston本体価格は税込み6,600円。

現在はアマゾンのみでネット販売。

stonのケースと本体
本体デバイスは石や卵のような丸みを帯びたデザイン。上部のキャップを外しカートリッジを装着して吸引する仕組みだ。

stonのキャップと光っている本体
吸引回数は1カートリッジで250回。3本入りセットなので計750回の使用が可能。

カフェインやGABAなどの含有量は公開されていないが、1000パフで200mgのカフェインが摂取できるという。

コーヒー1杯(150ml)で約90mgといわれるので、それほど高く含まれているわけではなさそうだ。

暗い印象のston
ただし、飲料や錠剤のような経口摂取より、このような吸引摂取のほうが体内に早く吸収されるという。

とかく安全性が何かと騒がれている分野なだけに軽はずみで購入使用するのはリスクが伴うこともある。

安全性にはとくに配慮した。stonの蒸気に含まれる物質を分析し、すべて基準値を下回ることを確認。カフェインの摂取量についても、先進国で最も厳しいといわれる英国食品基準庁(FSA)の基準を用いて検証した。「カフェインは、経口摂取の場合で(最も基準の厳しい)妊娠した女性は1日200ミリグラム以下とされています。接種法の違いを考慮しても、stonでこの量に達するには1日に1000回も吸引することになります」。

ITmedia NEWSより抜粋

BREATHER株式会社の菅沼辰矢CEOによると安全性には強く配慮しているとのこと。

ちなみに、この「ston」の商標出願人、権利者はJT(日本たばこ産業株式会社)である。
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)

販売元BREATHERは今年発足されたスタートアップ企業だが、バックには大手たばこ会社が君臨している。

SNSなどを確認する限り、嫌煙家や団体はすでにこのstonを「危険なもの」として認識しており、昨今の人気ぶりに警鐘を鳴らす。

stonマニュアル
stonのマニュアル冒頭には重要事項として妊婦や子どもの使用はしないようにと明記されてはいるが・・。

どちらにせよ、未成年でも合法で使用できるstonはたとえコーヒーやエナジードリンクの趣であっても「見た目はタバコ」。

このあたりの倫理観が深くつきまとう製品なことだけは確かである。

それでは実機のパッケージや細かいディティールを追っていくとしよう。

 

転売が目立ち、購入しづらい状況だったが今は買える!

stonのケース(上から)
12月3日に発表後、アマゾンではすぐに売り切れたため5日にシルバーを購入。おおよそ平日の午前10時、または午後1時から在庫が補充される率が高い。

しかし、3ヶ月ほどすれば話題性は去り、現在は普通に売られてます。(追記2020/4)

ライトで文字が浮かぶstonケース
12月上旬現在は出品者からの販売が多いため、通常の2倍、3倍の価格が付けられているので注意。

上乗せ価格か公式価格かを知る方法は「カートに入れる」ボタンの下を見て欲しい。この商品は「BREATHER株式会社」が販売し….となっていれば公式だ。

本体価格は税込み6,600円。それ以上の販売価格、または違う店舗名などはすべてアマゾン出品者となる。

カートリッジもまた同様。本来なら3本セットで1,980円のところ、2万近くの値がつけられていたりする。早急に対処しなければブランドイメージが下がってしまうだろう。

しかし、3ヶ月ほどすれば話題性は去り、現在は定価より安値で売られてたりします。(追記2020/4)

stonの現在の価格(amazon)
カートリッジの現在の価格(amazon)

 

パッケージ内容やスペック

4種類のstonカラバリ
画像 / BREATHER株式会社

さて、カラーは全4色。レッドの茜(Akane)。シルバーの月白(Geppaku)。緑の浅葱(Asagi)。濃紺の鉄紺(Tetsukon)がラインアップ。

いかにもブランディングを意識したアレな印象でパッケージからネーミングまで遊び心が垣間見える。
付属品
付属品はston本体と充電用クレードル。マイクロUSBケーブルは約1m。他に保証書兼マニュアルも有り。

個人的にはタイプCであってほしかったがバッテリー容量を考えると高速充電に耐えられそうもない。0.66Wh/約180mAh リチウムイオンバッテリー

手のひらにのせたston
大きさはLサイズの卵くらいだろうか。stonはその名のとおり「石ころ」をモチーフにしているので手にフィットしやすい。

重さは約50グラム。幅50×厚さ20×高さ65mm。表面はアルミっぽく塗装はマット。個体差なのか、少しシールを剥がしたあとのような粘着性がある。ツルスベではない。

本体のアップ
当初、本体だけで6,600円という値段は高いように思えた。負圧感知センサーと少量バッテリーだけでVAPEとしてみれば2,980円がいいとこだろう。

だが、開発者インタビューを読むと技術的に難しい部分がありコストがかかったのだとか。

仕事中の「ひと休み」を革新する新デバイス「ston」開発秘話 / NEWS PICKS

ただ、私のように工業製品に疎い人間からしたら、やはり機能面と比較して高価かなとも思う。売り始めの少数生産でコストがかかるのは理解できるが・・。

ちなみにデバイス製造はMade In Korea。

充電中のstonランプ
さて、最初に本体をフル充電をするわけだが、なにやらクレードルの下部が柔らかいライトで覆われているではないか。形状もstonに似た石のようで少し心が和む。

しかし、この設計ではUSB端子に負荷がかかることは明白。タイプCではないためマイクロUSBの台形に合わしてジョイントするのは至難の業だ。

充電しているston
クレードルでやりづらい方は本体にUSBケーブルをダイレクトでも挿せる。充電時間中はクレードルでも直でもLEDライトが点灯。

そして、消灯で満充電となる。※Output 0.5A / 約60分。

分離されたston
キャップと本体はマグネットで脱着。キャップ形状の方向が固定されてるため向きが違うと磁力が反発してストレスになる。

その磁力は普通だが、ポケットやカバン内で遊ばせると外れやすいかもしれない。それと、吸うときにキャップの始末に困る事案が発生しそうだ。

キャップを外したston
そのあたりでもう少しユーザーフレンドリーなギミックなり、遊び心を追求してくれたらなと期待してしまう。

また、キャップを開けた際の1本棒もどこかやっつけ感が漂う。外見は良くても中身までコンセプチュアルに昇華していく熱量が足りないのではないか。

では、ネチネチ言っても始まらないので、次はカフェインカートリッジへ移る。

 

カートリッジはプルームテックで使える?

本体の接続部分
カートリッジ挿入はキャップを開けてホールにねじ込むだけ。奥にはエアホールへのスリットが見える。

本体とカートリッジ
今回購入したカートリッジはカフェイン入りの「POWER」。あくまで記事用に購入したのでGABA配合は後々興味がでれば追記していきたい。

とはいえ、本体&フレーバー2種類で約10,000円。各1本づつでもスターターキットに入れてもらえれば嬉しいのだが。

POWER(カフェイン配合)
専用カートリッジは3本入りで1,980円。1本で250パフということはプルームテック換算でたばこ約20本分。

しかし、このstonは喫煙者を対象にしていないため、1回のパフ数が5、6回で計算されているらしい。

つまりこのカートリッジ3本で約1ヶ月分なんだとか。

カートリッジ製造元
気になる製造元は株式会社ジャパンメディカルベイプラボラトリーズ。調べたらカフェインリキッドの覚醒カイジシリーズを作ってたエスマジックさんのところでしょうか。

リキッドOEMも請けていて実績はあるもよう。これだけ初っ端に火が点くとはかなりの特需かと。ただ、真ん中の1本がダダ漏れしてたことは報告しておきます。

カートリッジ全体像
分解はおいそれと出来そうにないですが、原理としてはプルームテックと同様。熱線コイルにウィックを通してミスト化することは間違いない。

カートリッジの細部
ジョイントはどこかego-901/801っぽい端子ですがプルームテックバッテリーには装着できませんでした。互換性はありません。そもそもどっちもオスだし。

VAPEでよく使われている510スレッドと同径でしたがピッチが広いためうまく噛んでいきません。しかし、MOD側のコンタクトが浅いWismec V80では起動できました。※コイル約2Ω

プルームテックとstonの互換性
まぁ、そのへんのところはメーカーも対処してると思うので、今後カフェイン対応プルームテックでも期待しましょう。

ぶっちゃけ、前述したエスマジックさんのリキッドやBI-SOさんのカフェインシリーズでも注入すればいけないことはないです。

それだったら既にヤってる方はいるでしょうし、このstonに目を向けている層はスモーカーやVAPERではありません

stonのマウスピース
そういった一般に広く知らしめるにはカフェインやGABAなどのパワーワードが必要不可欠だったんでしょう。

それでは、使い方や実際に吸った感想などを記していきたい。

 

stonの使い方と注意点


stonの使い方は上の公式動画を見てもらえれば一目瞭然だが、特に難しいということはない。

stonの基本的な使い方

  1. はじめて使う前に充電する
  2. 本体にカートリッジをねじ込む
  3. 2回素早く吸引して起動させる
  4. 吸引すれば自動でミストが発生
  5. 要充電や交換タイミングはランプ点滅

注意したいところは2回素早く吸引して起動するところだろうか。動画では口をつけずに「ンパッ、ンパッ」という仕草をしているのだが、これが微妙である。

私の場合は特に意識せずとも「スッ、スッ」で通常使用ができ、今でも普通に吸えている。

これは毎回行う必要はなく、250パフで交換するためのメモリーリセットだろう。だが、うまく起動しない場合はLEDランプが点滅して吸えなくなる。

いくつもVAPEデバイスを触ってきた者としては少しわずらわしい仕様だと感じた。

また、カートリッジ内にはリキッドが充填されているため漏れの心配も出てくるだろう。吸ってみてジュルジュルするようだったら一度本体から外して確認したほうがいい。

 

POWER (カフェイン)の味の感想と効果

味の評価とテイスティング
まず、吸い込むと周辺のLEDが青白く光ります。吸い終わって1秒くらいすると徐々に消えていく仕様。

これがすごく明るいので暗い場所だと目立つだろう。思ってる以上に明るい。

さて、POWER(カフェイン配合)のミント味なんですが少し甘さがあります。メンソールもそれほどキツくなく非常にソフトなタッチ。

カフェイン効果
プルームテックのようなニコチンキックやピリピリとした感じはしない。吸ったあとのイガイガ感なども今のところありません。

吸い込み具合のドローはやや軽めな印象。ミスト(煙)の出方は思いっきり吸い込んで「握りこぶし」くらいの量。速攻で消えるので煙量を気にしてる方は許容範囲かと。

慣れていない方はミストを口に含んだときに飲み込むようにするとほとんどミストは出ませんし、吸収しやすくなります。

stonのイメージ画像
肝心なカフェイン効果ですが、2日間使用した範囲内では「よく分かりません」。コーヒーは毎日飲みますがston使用中には飲んでません。

これはメンソール効果も追従してるのでどれがどれに反応してるのかが分かりづらい。

当然カフェインの含有量が少ないのもありますし、経口摂取ではなく経肺だから吸収率が高いわけでは決してない。※私個人の感じ方

stonを手にする画像
寝起きの朝イチでも吸ってみましたが、カフェイン抜きのVAPE用強メンソールのほうが遥かに目を覚ましやすいことだけは確か。

なので、私個人としてはstonのカフェイン効果に即効性は無いと推測。

ただ、吸い慣れている私と非喫煙者さんとではミストに対しての抵抗力が違うかと思われる。

同意をえて非喫煙者のカミさんにも試してもらいましたが、やはり、その効果をダイレクトに感じなかったのだとか。※濃いコーヒーを飲んだほうが早いらしい

 

まとめ / プラシーボでは続かない

暗いイメージのストン
いわゆるプラシーボ効果で「効いてる」フリもできると思うのですが、それで売れ続けていくほどユーザーは馬鹿じゃないと思う。

そりゃ、ガンガンに効くほど調整もできたんでしょうけど、安全性を考えれば今のラインが妥当ではないでしょうか。

良くも悪くも食品ですから、もし何かしら使ってて異常を感じたら即中止することをお勧めします。

ただ、本当にこの分野は叩かれることが前提なので、こういった製品を世に送り出す覚悟や理念は中途半端なものじゃないでしょう。

それが製品に反映されるかはまた別の話なので巷の評判が出揃うまで期待したいところであります。以上。

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